出生の秘密③
母の実家の菩提寺に墓参りに行くたび、母が水子供養の塔の前でやたらと長く手を合わせていたのも、こういうことだったのか…。
それにしても、「お姉ちゃんは当然知ってるんだよね?」と聞くと、「言ってない」と母。
「だって、お姉ちゃんワガママだから、どんなふうに受け取って反応するか、怖い。だからあんたからお姉ちゃんに言ってもらいたい」
おい、待てや!!!
なんで私がそんな大役を担う必要がある???
母親じゃなく妹の私なんかが姉に告げたら、それこそ拗ねた姉がどんな態度に出るか、目に浮かぶ。
姉はたびたびの闘病入院生活で、両親にかわいそうだ代わってやりたいと甘やかされて、すくすくと手に負えないワガママ娘に成長し、妹の私からしたら「この人、社会でやっていけないだろうな」という立派なアダルトチルドレンになっていました。
高校をやっと卒業してからは定職につかず、気ままなニート生活で時折家族(というか主に私)に八つ当たりするヤバめ人生まっしぐら。
17年間ずっと、「お前はお姉ちゃんと違って健康に生まれてなんと幸せなことか。可哀想なお姉ちゃんを守ってやって当然」と言い聞かされてきましたが、この時ばかりは、母に反抗しました。
「そんなこと、私に言われたらお姉ちゃん絶対ブチ切れるよ。なんであんたが知っててわたしがしらないのよ!って。だからこれだけは、お母さんがお姉ちゃんにちゃんと直接伝えないと。」
母を説得し、その日の夜、母から姉に出生の秘密を告げてもらいました。私はそばで、初耳!ビックリ!という顔で聞いていました。
いやー、精神的に疲れた😓